こんばんは、イコッサです
本日20時からのイベント『ファラザードの観光案内人と行く魔界旅行』を開きました。
予定は1時間だったのですが、伸びに伸びて1時間40分になってしまいました。参加されたお客様、申し訳ありません。
そして参加者様が来てくださったことを嬉しく思います。
長丁場でしたが、無事終われたのも皆様の合いの手に助けられた部分が大きいと感じました。
さて、せっかく書いたイベント用の文章ですので、ブログでも読みやすいようにリサイクルしていきたいと思います。
なお、私はファラザード国の観光案内人(魔族)として皆様に魔界旅行を楽しんでいただくという人物として、このイベントを企画しました。
実は裏に思惑がある人物という設定ですので、うさんくさいところは有りますが、その怪しさも含めて楽しんでいただければ幸いです。
なお、かなりのネタバレを含むのでバージョン5のストーリーをクリアしていない冒険者は注意してください。
唐突に始まる魔界ツアー
今日はファラザード主催の観光ツアーにご参加いただき、誠にありがとうございます。
改めまして自己紹介させていただきます。私はファラザードの観光案内人をさせていただいているイコッサと申します。
短い時間ですが、皆様に楽しい魔界旅行をプレゼントできれば幸いです。
料金?いただきませんよ。皆様に楽しい時間を過ごしていただければ幸せでございます。
そして、できればファラザードのすばらしさを皆様の祖国で広めてくれると嬉しい限りです。
さて、まずは正面のガミルゴの盾島をご覧ください。
あの島に空いた魔界への穴は神話の戦いで戦禍の邪神が空けたものとされています。
みなさんのアストルティアと魔界には光の河というバリアーがありまして、そのバリアーに穴があいているのがあの島です。
さて、この中にオーガのお客様はおりますか?
オーガというのは我々魔族から見てもとても勇敢な方々です。
500年前についに魔界と繋がった穴を当時のグレン王、ガミルゴが身を挺して塞いだのは魔界にも伝わっております。
しかし残念でございます。
せっかく穴から出てきた魔瘴でガミルゴ王が魔族となれたのに、我々の仲間になるまえに自害するとは・・・。
おっと、これはこちら側の話でしたね。
ではいよいよ魔界に入っていきますが、先ほど配布したアビスジュエルからゲルヘナ周辺の大審門へご移動ください。
魔界の大審門へ
ようこそ魔界へ!!
ここは大審門と言いまして、腕に自信のあるモンスターが大魔王になるために集まる場所であります。
じつは少しまえに3人の魔王様が大魔王になるために訪れた場所です。
おや?みなさん、体調は大丈夫ですか?
アストルティアのお客様を案内するといつも魔瘴で体調を悪くされるので心配しておりました。
え?事前に聞いていないだって?失礼しました。
お詫びにアストルティアと魔界の環境の違いについてお話ししましょう。
皆様の世界の神話では女神ルティアナの光が太陽を作ったとされていますね。
太陽に照らされて生活している皆様は女神の光を加護をうけて生活されています。
しかし、魔界には太陽がなく、あるのは魔瘴ばかりです。
太陽を失い女神の加護を失うばかりか魔瘴による害をうけて弱ってしまうのでございます。
これを防いでくれるのが太陽石でございます。
古く2500年前のドルワームでエネルギーとされていた石です。
太陽の光を結晶化したともされるこの石は、女神の加護をうけられるとか・・・うけられないとか・・・?
気になるお値段は何と100000G!
これがあれば魔界でも安心して生活ができますよ!!!
・・・失礼しました。
ファラザードではこのような商売もあるという事をお伝えしたかったのです。
決して騙して高値で売りつけようなどと思ったわけではありません
せっかくなので、皆様ここで記念撮影といたしましょう。
背の低いプクリポ様は前へ、背の高い皆様は後ろへお並びください。
さて皆様思い思いのポーズをどうぞ
良い写真は撮れましたでしょうか?
では次は国巡りへ参りましょう。まずはゼクレス魔道国の入口へ移動します。
ゼクレス魔導国へ
ゼクレス魔道国は今ちからのある3国家で最も歴史ある国となっております。
しかし、歴史が続けば貧富の差は開くもの・・・この国で成功する方法はたったの2つ
- 貴族に生まれるか
- 貴族に取り入るか
だけとなっております
ちなみに我がファラザードでは身分による差別は一切しませんよ。
この国に伝わる価値観に魔族が魔物よりも高尚なものだというものがあります。
その分け方は極めてあいまいですが、不思議なことにアストルティアの皆様に近しい姿をしたものは魔族とし、それ以外の者を魔物として扱っています。
神話時代、我らが神がアストルティアを襲い『人間を魔族』に『動物を魔物』に代えたと伝えられています。
まさか、その神話になぞらえて差別が生まれてしまったのでしょうか。
もし神話が正しいのであれば、私ども魔界の民とアストルティアの皆様の祖先は同じということになりますね。
ははは!もちろん冗談ですよ!
さて、魔族と魔物の差別について続けます。
他の2国ではそのような差別がすでに過去のものになっている点はこの国の未来を暗示しているかのように感じますね。
この国の魔王はアスバル様といいますが、実際のところは母であるエルガドーラ様が全てを決めている国であります。
この像の方がエルガドーラ様です。
生前で銅像が立つ方はろくなものじゃないと聞いておりますが・・・。
おっと、これを聞かれたらこの国では命の保証はありませんね。
母親の操り人形のアスバル様ですが、この国の血統主義を嫌った国民から多少の期待は持たれているようです。
しかし不思議なことに、私が見たアスバル様の目には生気がなく、全てを諦めてしまったように見えました。
王が希望を捨てた国に未来はあるのか?
それは誰にもわかりませんが我が国ファラザードの王はまさに燃える炎のような御方であります。
おっと、またうっかり口が滑りました。兵士につかまる前にこの国を後にしましょう。
次はバルディスタ要塞の入り口にお越しください。
バルディスタ要塞へ
相変わらず物物しい街ですね
このバルディスタは千年前の大魔王、不死の魔王と呼ばれたネロドスの死後に建てられたと言われています。
その時は一介の傭兵にすぎなかったヴァレリア様が今や魔界でも有数の強国の王となっております。
さて、さっそく国民の声を聴いてみましょう。
正面にいるガドーチ様に話しかけてみます。
ずいぶんと荒々しいようですね。
そういえばアストルティアに侵攻した魔王軍もこのバルディスタでしたが、その後の勇者姫の様子はいかがですか?
我がファラザードでは勇者姫のご無事を祈っております。ぜひとも、そうお伝えください。
アストルティアへの侵略は皆様も大変気にされていると思います。
これは不確かな情報なのですが、ピエロ風の魔族がバルディスタで暗躍しアストルティアへの侵略を唆したとの話があります。
この武骨な街を見ればわかる通り、この国の兵士はみな単純であります。
裏で暗躍するような器用な真似をできる魔族など副官のベルトロ様くらいのものですが、肝心のベルトロ様はアストルティア侵略には反対だったそうです。
噂のピエロとはいったい何者か?・・・もしお客様が知っていればその情報は、ぜひファラザードにお売りください。
さて、話を戻しましょう。
このバルディスタは強さこそ正義の国で、出世するには強さを示すのが一番でございます。
ウェディやオーガのお客様!お客様のように強そうな方であればこの国での出世も望めますよ!
それだけではなく、武器鍛冶や防具鍛冶や戦時中の兵器や道具や食料まで強さに結び付く才能は高く評価されます。
その典型例が魔瘴弾です。
その威力が実際に見れる『月明かりの谷』という場所がありますので、そちらへ移動しましょう。
月明かりの谷にはつい最近まで魔界には珍しい孤児院があったのですが、何の手違いか魔瘴弾が直撃するという悲劇がありました。
魔瘴弾は威力はもちろん大きいのですが、やっかいなのは魔瘴による被害です。
皆様が料理を食べすぎて腹を下すのと同じく、魔瘴が無ければ力が出せない我々でも強すぎる魔瘴は命を落とします。
この魔瘴弾の原料になっている魔瘴石ですが、魔瘴が結晶化したものです。
ところで皆様のアストルティアには魔瘴石を太陽石に代えてしまう秘術があると聞きました。
その秘術があれば太陽石の砲弾をつくり、強大な兵器にすることも可能なのでは?
うーん、もしそんな兵器があれば、名前は『太陽の弾』・・・なんてどうでしょう?
安直すぎますかね、ははは!
さて、次の国に行く前に丘の上にのぼり黙とうしましょう。
ここで思い思いの墓にいのりましょう。
ありがとうございます。
さて次は我が国ファラザードです!
砂の国ファラザードへ
この国は魔王であるユシュカがオアシスを拠点に作られた新しい国家です。
広大なジャムリバハ砂漠にある小国を1つの国に束ねたのが始まりとされます。
なお、このジャムリバハ砂漠には大魔王ヴァルザードが統治したとされる開運都市ザードがありました。
2500年も前の話ですので私も自信はありませんが、もし過去に行くことができるなら、観光案内人としてぜひ自分の目で過去の魔界をみてまわりたいものですね。
・・・?
お客様?不思議そうな顔をされていますね。
ははは!冗談ですよ
過去に戻れないから今を頑張るのです。
さて、このファラザードは小国の集まりですが、その中には当然魔王もおりました。
あそこにいるジルガモット様もかつては魔王として小国を率いたそうです。
せっかくなので話を聞きに行きましょう。
シシカバブとはファラザードを荒らした盗賊の最後の首領ですが、その敵さえも味方にしてしまうのが我が国の魔王ユシュカです。
魔王となる前のユシュカは宝石商をしておられたそうで・・・魔族は宝石と、宝石に秘められた魔力でその強さを増すことができます。
宝石を求めるような有力な魔族と出会い続けたユシュカは多くの魔族と出会い他の魔族にはない革新的な考えを持つようになりました。
最近おきた3人の魔王による大魔王の選出も元はユシュカ様が発端ではじまった出来事のようです。
皆さまは大魔王と魔王の違いについて詳しくご存じですか?
アストルティアで言えば魔王は王様です。
高い地位にはおりますが、あくまで地位が高いだけの一般人と言っても過言ではありません。
しかし大魔王となると魔界にただ1人の統治者となるのです。
アストルティアで唯一無二の存在といえば勇者であるアンルシア様ですが、彼女こそが魔界では大魔王と同じ存在と言えますね。
大魔王がいない時期の魔界は実に争いが多く、荒んだ時代でございます。
数年前にアストルティアに侵攻したマデサゴーラという大魔王がおりましたが、どうも誰かに倒されてしまったようで・・・。
話は大魔王に戻りますがこのファラザードには自由はありますが、資源がありません。
オアシスがあるので農園はあるのですが、ゼクレスのような森林も、バルディスタのような鉱物資源もありません。
交易によって成り立っている国だけに、国同士の争いになるのは得策ではなく『3人の魔王様達の個人の争いで決着するのが良い』とユシュカは考えたのです。
しかし、残念ながら誰も大魔王に選ばれず、3国家による戦いの気配がしておりますね。
なぜユシュカ様が大魔王になれなかったのか?私は不思議でなりませんが、まさか他に適任な者でもいたのでしょうか?
あれあれ、またまた不思議な顔をされていますね。
さて、お手数ながらお客様に尋ねたいことがございます。
これから起こるであろう3国家の戦いでは、どの国が勝利を得ると思いますか?
なるほどわかりました・・・どうやらお客様はバルディスタが勝利すると思っておられるようですね。
では3国の今後を知るためにゲルヘナ周辺のゴダ神殿に移動しましょう。
ゴダ神殿へ
ここゴダ神殿は大審門の先のデモンマウンテンをさらに上った頂にありまして、大魔王が選出される神殿でございます。
歴代の大魔王様『マデサゴーラ』『ネロドス』『ヴァルザード』らはここで大魔王に生まれ変わったのでございます。
さて、遠慮なく入りましょう。
この丸い顔の方が魔仙卿様でございます。
最古の魔族とよばれ、魔界の神と接触できる存在で、彼が魔界の神の意志を候補者に伝えます。
さて、大魔王にふさわしいかどうかを判断するにも材料が必要でございます。
幸いというか、不幸というか・・・この魔界には近々大魔瘴期とよばれる破滅の時期が迫っております。
アストルティアと魔界は繋がった世界ですので、お客様にも他人事ではございませんよ。
魔界で魔瘴が増え続ければ、そちらの世界にも魔瘴は溢れてしまいます。
この大魔瘴期にどう対処するかが今回の大魔王選出のキモでございました。
これから3人の魔王がいかにして魔界を救うかを話しますが、ぜひともアストルティアの皆様にとってどのお方が大魔王になれば益になるかをお考えいただけると、私どもも説明のし甲斐がございます。
では初めにバルディスタのヴァレリア様の方針をお話ししましょう。
ヴァレリア様は弱肉強食を身上とするお方ですので、先のアストルティア侵略も皆様のことを弱者と見下しての行動だと思われます。
もちろん私はそのようなことを思ったことなどありませんよ?
皆様が生きているアストルティアは魔瘴が少ない土地ですので、そこを奪い魔族の新天地にすることで、魔瘴に強い魔族は生き延びる事ができる。
・・・これがヴァレリア様のお考えです。
もっともこれは我が王ユシュカに言わせると旧来のやり方だそうで、実際にアストルティアにいき勝利を収めた大魔王は歴史上、ただの一人としておりません。
バルディスタの方々は先のアストルティア侵略が有利に進んだと思っていらっしゃるようですが、今回戦ったのはオーガの方々だけ。
聞けばアストルティアには他にも5つ大陸に5つの種族がいらっしゃるようで、初戦が有利だったとは言え、さらに5倍の戦力を倒せるとヴァレリア様が本当に思っているなら大魔王としての知に欠けると私は思ってしまいます。
まぁ、それも含めて『旧来のやり方』という事なのでしょうね。
では次はゼクレスのアスバル様ですが『大魔瘴期に備え頑強なシェルターを作り、一部の限られた魔族が難を逃れる』という策を持っておられるようです。
なるほどいかにもゼクレスらしいのですが、そのシェルターを建設する仕事は誰がしているのでしょうか?
まさかシェルターに入れない、身分の低い魔物たちに作らせているわけではないと私どもも信じたいところですが・・・。
我が王ユシュカ様が言うには、この策を語っていた時のアスバル様の目には生気がなく、まるで操られたかのような様子であったそうです。
そういえば、古代に闇の神によって生み出された災厄の王がアストルティアを滅ぼした時代に、『限られた者がアストルティアを脱出するというゴフェル計画』なるものがあったと聞きます。
お客様はゴフェル計画がどのようなものかご存じですか?
ははは!もちろん冗談です!
こんなおとぎ話が実際に起きたはずが無いと私どもも思っておりますよ。
さて、最後はファラザードの王ユシュカ様ですが、我が王は先に紹介したお二方と違い、お客様『アストルティアの人々と交流しアストルティアに伝わる魔瘴への対抗策を手に入れよう』と考えております。
もちろん無料とは言いません。
我がファラザードは自由と経済の国、いただいたものにはきちんと対価を払います。
アストルティアにある魔瘴の対策とはドルワームに伝わる魔瘴石を太陽石に代えてしまう秘術や、魔瘴を打ち払う特別な歌だと聞きました。
アストルティアの皆様と我々ファラザードの者が手を取り合って歌うというのもなかなか妙な話ですが、この新しさこそが我が王の魅力です。
さて、3人の魔王様の方針を語りましたが、皆様はどの魔王様が大魔王になられるのが良いと思われますか?
魔界だけではなくアストルティアの未来も視野に入れて、考えて答えてみてください。
なるほどわかりました。
どうやら皆さんはユシュカが大魔王にふさわしいと思っておられるようですね。
とてもうれしい限りです。
しかし、残念なことにユシュカは大魔王は選ばれず、3人の魔王が武力で魔界を統一する戦がもうすぐ始まってしまいます。
その戦いの間はアストルティアは平和と言えるかもしれませんが、その後はどうなるかはわかりません。
そこで提案ですが、我がファラザードが魔界を統一すればアストルティアの皆様と魔族の長きにわたる闘いの日々が終わるかもしれません。
この3国でアストルティアとの友好を築けるのはファラザードだけでございます。
しかし知っての通り我が国は砂漠の国・・・戦いが長期化すれば不利となります。
そこでアストルティアの皆様には僅かばかりのお力をファラザードにお貸しいただけないでしょうか?
挟み撃ちとなればいかに強国のバルディスタやゼクレスと言えどひとたまりもありません。
え?これが今回の観光ツアーの目的かって?
そんなことはありません!
しかし、どちらにせよバルディスタは一度アストルティアを侵略した国ですので、次の戦いがあるのは確実です。
その戦いを前にして、アストルティアの皆様の反撃と、私どもファラザードとバルディスタが戦うタイミングが偶然一致しても、誰も損はしないお互いに利益がある関係だとは思いませんか?
この話、ぜひ皆様のお友達や王族の方にもお伝えしていただけると私も仕事のし甲斐がございます。
おっと、また出すぎた真似をしているとユシュカに怒られてしまいそうですね。
いい時間になりました。
せっかくですので、ここで魔仙卿を中心に最後の記念写真といたしましょう。
皆様写真を撮ることはできましたか?
これにて魔界の観光ツアーは終わりとなります。
皆様のおかげで私どもも異世界のお客様を案内するという新鮮な体験をすることができました。
ではでは名残惜しいですが、ここでお別れです。
みなさまとまた会える日を願っております!
・・・・・・・・
・・・・
最後に
このようなイベントをやりました~。
今回のイベントに参加していただいた方には感謝感謝です!
だんだんと怪しく、うさんくさくなっていく私の様子が伝わったなら成功したと思います。
記事を読んでいても『観光案内にしては情報操作が露骨だな』と思っていただければ幸いです。
武力が武器のバルディスタと、歴史を積み重ねてきたゼクレスに対して、勝つためにはどんなことでもやるファラザードというイメージを持って作りました。
こういう目的のために魔界に来ても死なないほどの強い冒険者を選び、ファラザードの協力者になるように印象操作をする魔族・・・という設定でした。
アンケートも交えて、観光の最後のほうではユシュカこそ大魔王にふさわしいと皆様に考えてもらうというもの狙いの1つとなっています。
観光の中盤ではバルディスタが勝利すると思うお客様が多いですが。
終盤ではユシュカを支持する人が増える、これはファラザードが勝利に近づく事に繋がっています。
ヴァレリアとアスバルには様をつけていたのに、ユシュカは呼び捨てだったりとかなり露骨でしたね。
ファラザードにはこういう仕事をする魔族もいそうだな~と、この記事を読んで思っていただけると嬉しいです。