あなたをこえたくて

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ドラクエの『はい・いいえ』の限界

こんばんは、イコッサです。

今日は前々から考えていたドラゴンクエストのストーリーに関する問題を書いてみます。

長いので2部構成です。

 

選択肢がないストーリーでも不満が出ない理由

ドラクエのストーリーは一本道です。

物語の中で主人公に選択肢が与えられる事もありますが、それは見せかけで・・・シナリオの進んでほしい選択をプレーヤーが選ぶまでループしますね。

それが有名な『はい or いいえ』です。

でも、多くの場合それは問題になりませんでした。

なぜならドラクエの主人公は善人で人助けを行う良い人だからです。

与えられる選択肢も『困っている人を助けますか?』・・・のような、多くの人が『はい』を選ぶようなものしかありません。

ちょっと意地悪なひとは『いいえ』を選んでみるかもしれませんね。

でも、選択肢がループして結局人助けをすることになります。

こうなったときに『いいえ』を選びたかった人がドラクエというゲームに怒るかというと、そんなことはないですよね。

たかが人助けです。

その時の気分で人助けをしたくなかったのに人助けをさせられてしまったとしても『まぁ、いいか』と思うくらいで終わりです。

良いことをして怒る人なんていません。いても超少数派。

これがドラクエの選択肢であり、片方に明らかな正解(善行)があって、それを選ばされます。

 

選択肢の無い主人公

上で書いたように、ドラクエの主人公にはストーリー中の選択肢が実質ありません。

他のゲームでは違います。

例えば他のゲームならクロノトリガーです。罪を犯したけれど、味方にもなり得る魔王を『生かす・殺す』のような選択肢があります。

これって正解のない、プレイヤーの感情や倫理観で決める選択肢です。

他にも女神転生なら『ロウ・カオス・ニュートラルのどの陣営に肩入れするか』を決めなくてはいけません。

これも選ばれなかった陣営は多くの場合で主人公の手により破滅します。

このような正解のない選択、必ず犠牲の出るような選択をドラクエの主人公はしてきませんでした。

それでも問題がなかったのは、そう言う選択をそもそも主人公に与えないシナリオ作りをしているからです。

ですが、それは言いかえるとストーリーの幅を狭めてしまっている事になるんじゃないでしょうか?

 

選択肢を与えない歪み

そんなドラクエですが既に11作もあり、流石に主人公にまともな選択肢が与えられそうな場面がありました。

それがDQ4のシナリオ6です。

幼馴染や育った村を滅ぼした憎いデスピサロを助けなくてはいけないというシーンが登場します。

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助けないと隠しボスに挑めないという流れなっているからです。実際はデスピサロも殺して裏ボスも殺せばいい気もしますが。

普通のゲームなら、ここで選択肢が入りますね。

デスピサロを助けるか助けないか?

これは正解のない選択です。

  • ゲームだからと割り切って助けるもヨシ
  • デスピサロにも事情があったとして助けるもヨシ
  • ただカッコいいから助けてもヨシ
  • 恨みの感情のまま殺すもヨシ
  • 人間代表の勇者としてデスピサロを殺しもヨシ

理由は何でもいいです。

結局は助ける or 助けないに収束します。

で す が・・・なんとデスピサロを助ける選択しかできません。

どうしたんでしょうドラゴンクエスト、どう考えても正解なんてないハズの選択肢にも正解を用意してきました。

だったらこの6章は何のために作られたのか?最終章なんだからルート分岐したっていいじゃないですか???

元々デスピサロを助けたい派のプレイヤーには関係ありませんが、デスピサロを許さない派のプレーヤーの気持ちはどうなるのでしょう。

今から倒しに行く裏ボスよりも真っ先に倒したいデスピサロが仲間に加わるという事態にゲームどころではありません。

こうしてドラクエ4のシナリオ6は賛否両論が起きました。

ドラゴンクエストのシナリオの限界がこの辺りでチラチラ見えている気がしますね。

一本道シナリオでは主人公に大きな選択をさせることができず、シビアな選択をする時ほど無意味な選択肢を出すことで『どうせ選択させる気もないくせに』・・・と、神経を逆なでしてしまうと思います。

―――長くなったので休憩!次回はDQ10の話になります。