こんばんは、イコッサです。
前回の記事でちょこっと触れたのですが、ウルベア地下帝国はウルタ皇女の代で滅亡してしまいます。グルヤンラシュの暗躍という危機を乗り越えたのになぜなんでしょうか?
今回の記事ではウルベア地下帝国の滅亡の原因を探っていきます。
新制ウルベア地下帝国の課題
グルヤンラシュを排除したウルベア地下帝国ですが、まだまだ課題は山積みでした。
ウルタ皇女が柱としたのは以下の3つ。
- 滅ぼしてしたガテリア皇国の難民問題
- 便利な生活で枯渇していく地脈エネルギー
- 暴走寸前の帝国技術庁
国の崩壊に結び付きそうな課題はこの3つでした。
この問題がどういう結末をたどったのか・・・そして、どの課題を処理しきれずに国が滅びてしまったのか。
当時のウルベア地下帝国の様子と、現在のドワチャッカ大陸を比較して1つ1つを丁寧に見ていきましょう。
ガテリア皇国の難民問題
これについては救済するやり方が見つかりません。
失った家族はもう戻らないでしょうし、食料・職・家と色々支援しても恨みは消えないと思います。
ウルベア地下帝国の民はグルヤンラシュに嵌められたのだから自分は悪くないという態度を取っており、これもガテリア難民に見透かされているようなので、この世代で和解するのは不可能です。
それどころが、ガテリア難民問題が顕在化すると、グルヤンラシュを重用したウルタ皇女に矛先が良く可能性も高いです。
ほとんどのガテリア難民は生活のために仕方なくウルベア地下帝国に住み着いており、怒りや恨みを抱えて生きています。
ウルタ皇女の政策で生活の支援が得られなくとも、彼らはウルベア地下帝国から去っていくのではないでしょうか。
ガテリア難民問題は解決こそできないけれど、これでウルベア地下帝国が滅ぶほどの問題にはならないと思われます。
枯渇していく地脈エネルギー
ウルベア地下帝国では最初ドルセリウムという石油のような資源が使われていました。
地球で言えば、ドルセリウムが原油でドルセリンが石油のようなもの
それに代わるエネルギーとして登場したのが地脈エネルギーです。この地脈エネルギーの登場は皇帝ジャクバとグルヤンラシュの時代であり、かなり最近でした。
それもそのはずで、地脈エネルギーは地盤沈下で滅ぶするエテーネ島に注ぎ込むつもりでグルヤンラシュが開発させたからです。
- エテーネ島の地盤沈下を防ぐために地脈エネルギーがほしい
- 地脈エネルギーを開発する理由つけにウルベア大魔神を作る
- ウルベア大魔神を作るためには、その用途が必要
- よし!戦争しかねーな!!キューブの素材もほしいしな!
ガテリアとの戦争はこういう動機で始められたのです。
しかし悪魔っぷりはウルベア民もかわりません。
大量の地脈エネルギーを使うウルベア大魔神を置いている帝国技術庁の周辺は既に砂漠化してしまっていました。
このまま地脈エネルギーを使用し続ければドワチャッカ大陸全体が砂漠化してしまうのです。急いで地脈エネルギーの使用禁止か、節約をしなくてはいけません。しかし・・・。
地脈エネルギーの使用が規制されたら元のドルセリンを使っていけばいいと思うのですが、そう簡単にはいかないようです。
ドルセリンの方がエネルギー効率が悪くて、生活水準が下がるのかな?
これでは地脈エネルギーの規制は成功しそうにありませんね。
それどころか、今後需要が上がると思われるドルセリンを買い占めて転売しようとする輩まで現れています。
流石に生活必需品まで転売するとか引きますね。ガソリンや電気を転売するみたいなもんですよ。
裕福層に集まるドルセリンというエネルギーに対して、貧困層は便利なはずのウルベア地下帝国で不便で貧乏な生活を送ることになりそうです。
富の2極化が進むと暴力による革命が起きるというのは、カールマルクスの資本論に書いてるそうです。
池上彰がそういってた!
このエネルギー問題はウルベア地下帝国が崩壊した要因のひとつとして見てもよさそうです。
現在のドワチャッカ大陸に緑がある以上、地脈エネルギーの使用規制はしたようですが、それによって何が起きてしまったのでしょうか・・・?
暴走寸前の帝国技術庁
グルヤンラシュは戦争中、莫大な国家予算を自分の都合で使っていました。
その恩恵を受けたのが帝国技術庁の兵器開発部です。
彼らはグルヤンラシュと目的が一致していたため、ウルベア・ガテリア間の戦争により潤沢な開発費が与えられていました。
ガテリアとの戦争を勝利に導いたという功績をとても誇りにしており、敵が居なくなったからと言って軍縮されることを不満に思っています。
特に開発部主任のツォンデムは危険人物で、戦争という自分たちが最も輝ける状況を作るために何をするかわかりません。
この時代の危険人物トップ2がグルヤンラシュと彼
しかし、戦争が起きなければ起こすまで・・・と言っていた彼の発言が実行に移された様子はありません。
最大の兵器であるウルベア大魔神は結局使われず放置されており、ウルベア地下帝国が他の国に戦争を仕掛けたという歴史も残っていないからです。
もしウルベア地下帝国が戦争を仕掛ける相手がいるなら、それはグルヤンラシュと同じエテーネ人を相手にする可能性が高い
開発部がウルベア地下帝国内でクーデターを起こした(扇動した)可能性はありますね。便利な生活を奪われた国民を焚きつければ簡単に起こせそうです。
しかし、彼らによってウルベア地下帝国が存続したという歴史もないので、クーデターをしなかったか、失敗したか、成功しても国の維持をするほどの能力がなかったのか・・・色んな可能性がありそうです。
ウルベアは崩壊していなかった?
『ガテリア難民問題』『帝国技術庁の暴走問題』はウルベア地下帝国の崩壊には至らない気がします。
ガテリア難民の数は少なく力もありませんし、帝国技術庁も過激思想をもつ職員は少なめです。
戦争に行ってAIが壊れてしまった魔神兵を眠らせてあげようという職員もおり、内戦に再び魔神兵を使う事は躊躇しそうです。
何かしらの事件は起きたかもしれませんが国を倒すほどのものではないでしょう。
それに、ウルベア地下帝国ほど軍事力がある国がクーデターによる内戦で滅ぶとすれば、そのような記述が歴史に多少は残っていてもいいはずです。
もしかするとウルベア地下帝国は内戦や腐敗で滅びたのではなく、全ての課題を解決するためにウルタ皇女自身の手で解体されたのかもしれません。
ウルベアは滅びたのではないのかもしれない
ウルタ皇女はこういっていました。
このような悲劇(グルヤンラシュのやった事全部)を二度とうむことのない新たな時代新たなウルベアを共に築いてほしい
もし、今のウルベア地下帝国の状態ではどうやっても戦争や貧困や疑心暗鬼がない『新しいウルベア』を作ることが難しいとなれば、国の形すら変えてしまうかもしれません。
ウルベア自然消滅のシナリオ
ここで新しい説を唱えます。
ウルベア地下帝国は地下で暮らすことが難しくなった結果、多くの住民が地上へ住居を移し、自然消滅したのではないでしょうか。
こう考える根拠は2つ。
1つは地下の空調設備が役に立たなくなってきていることです。
この婦人が言うように、地脈エネルギーが規制されれば空調設備が無くなってしまうのです。
恐らくは完全になくなるのではなく、性能が落ちるという事なんでしょうね。
その証拠にドルセリンを使っていた時代ではウルベア地下帝国の下層に汚れた空気が溜まってしまっていました。
この空調問題は皇帝ジャクバとグルヤンラシュにより完全ではないとはいえ、改善されました。
地脈エネルギーは皇帝ジャクバとグルヤンラシュの時代に登場したので、元のドルセリンを使うようになればウルベア地下帝国内の大気汚染が再び深刻になるのは間違いなさそうです。
どんなに便利でも、命の危険がある場所には住んでいられませんよね
もう1つの問題は、地脈エネルギーからドルセリンにエネルギーを戻したことで、生活水準が下がることです。
ウルタ皇女の時代でウルベアは最高に発展したと歴史には記されていますが、これは地脈エネルギーありきでの話です。
ドルセリン+地脈エネルギーで支えられていた生活水準が、ドルセリン単体で維持できるわけがない
逆に言えば、生活水準を落とさないためには大量のドルセリンが必要になります。その需要を見込んでか、ドルセリンの転売も始まってしまいました。
日本で言う電気・ガス・石油など生活に必要なエネルギーが富裕層に買い占められてしまうわけです。
こうなるとドルセリンの値段はドンドン上がっていきます。
ドルセリンはウルベア魔神兵の動力ですが、魔神兵は高度な産業ロボットのような役割もあり、国のインフラ整備や、肉体労働の大部分を肩代わりしてくれている状態です。
そんな状態で魔神兵を動かすコストが上がったらどうなる?
広大な国であることが災いして、あちこちでインフラの故障や物流の停滞が起きるでしょう。
民間会社はウルベア魔神兵のコスト上昇が経営に直撃するはずです。
すると物の値段が上がりますが、コストは上がっても給料は上がらないので物が売れず、失業者が出て、税収が減る・・・という悪循環になりそうです。
貧困層は超インフレ経済のなかで魔神兵も使えず、不便な生活が始まります。自分の足で歩き、仕事は肉体労働です。
そして『こんな空気が汚れた地下よりも、地上で暮らしたい』と思うはずです。
忘れてはいけないのが、ウルベア地下帝国がドワチャッカ大陸唯一の街ではないということです。
上の画像のようにウルベア地下帝国はあくまで『都会』という扱い。その都会が住みにくくなれば、住民は出ていくに違いありません。
この辺は科学が発達した国故のドライな考えですね
特に生活が厳しく、汚れた空気の下層で住居がある貧困層はどんどんウルベア地下帝国から流出していったはずです。
こうしてウルタ皇女が政治をしていた数十年のうちに緩やかに住民が地上に移動し、ウルベア地下帝国は人口減少で自然消滅したというのが私の説です。
ウルタ皇女もウルベア地下帝国の民が苦労してまで地下で暮らすよりも、地上で幸せにと暮らした方がいいだろうと思うかもしれません。
政治の方向をあれだけ大胆に転換してしまう皇女です。
『民が幸せならウルベア地下帝国の維持に拘らなくてもかまわない』という考えに至っても不思議ではありません。
ウルベアを捨てた民はどこへ行った?
私が考えている説は『ウルベア地下帝国は一気に滅びたのではなく、国民の流出により徐々に国家という形を失っていった』というものです。
ウルベア地下帝国を去ったドワーフはどこへ行ったのでしょう。
これについても記録にはありませんが、エゼソルで塩を作る仕事があるくらいなので、ドワチャッカ大陸全体に小規模な集落があり、各々思い思いの場所へ散っていったと考えます。
みんなバラバラに住居を移したなら記録に残しようがないよね
しかしここまで仮説を立てたなら、参考までにドワチャッカの歴史を調べたくなりました。
もし、岳都ガタラの誕生がウルタ皇女の時代から近ければ、非常にわかりやすい話になってきます。
ドワチャッカ大陸年表
人間とドワーフの5000年前から400年前までの歴史をまとめた表です。ドワーフ中心なので人間の歴史は少なめ。
結局、岳都ガタラの建設時期はわかりませんでした。残念。
しかし、注目してほしいのが600年前の大陸間鉄道プロジェクトです。鉄道を作るのですから、当然駅や街がありますよね。
この当時はまだドルワーム王国が砂の下で眠っていますので、駅がある街はガタラしかありえません。
ガタラに限らず、駅を持つ小国か大国のどちからは600年前にはあったということです。
そして3000年前のウルベア帝国地下の崩壊前に岳都ガタラはありませんでした。ザックリですが、岳都ガタラは3000年前~600年前に作られたと言えるでしょう。
面白いことに、ドワチャッカの現在の街は『アグラニ > ガタラ > ドルワーム』の順に古い可能性があるのです。
ちなみに現存している最古の王国はグランゼドーラです。一番新しい街はラッカラン。それか新エテーネ村です。
年表を見ると、やはり滅亡したウルベアの民がどこへ行ったのか正確にはわかりませんね。
ドルワーム王国に行ったのか。名もない多数の集落に散っていったのか。最後までわかりません。
私の説を裏付ける証拠は残念ながら出てこなかったわけです。
でも、種族の絆が強いドワーフだから、グルヤンラシュの凶行後も内戦で争うなんて考えたくないですよね。