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どうしてMHWアイスボーンは失敗したのか

こんばんはイコッサです。

Steam版のMHWアイスボーンが発売して4ヶ月が経ちました。

だいぶ情報も蓄積し、冷静な評価がされるようになったころだと思いますが、今のアイスボーンの評価はどうなっているでしょうか?

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賛否両論となっていますね。

ちなみにSteamの名作と言われるゲームは『非常に好評』や『圧倒的に好評』となっております。

賛否両論と言えば聞こえはいいですが、実際はもう1ランク落ちると『ほぼ不評』に落っこちます。

そしてsteamの賛否両論に属するゲームはほぼ外れ

映画でもトイストーリーやバックトゥーザフューチャーは90%超えの人が高評価しますよね。

逆にたった50%の人が高評価の映画というのは、駄作の烙印を押されていることが多いです。

名作ってのは万人を感動させるから名作なんだよ!!

★4.5~5で名作映画扱いなら、アイスボーンは★2.5の映画と同レベルという事です。

食べ物で他例を挙げると食べログの★2.5の料理店よ一緒です。

映画だったら見ないし、料理店だったら行かない水準の作品ということですね。

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ちなみに前作の無印MHWは『非常に好評』でした。

非常に好評→ほぼ好評→好評→賛否両論と、アイスボーンはDLCなのに3段階も落っこちてしまっているわけですね。

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好評だった無印のDLCで評価がガタ落ちするという事は『期待されたものを追加しなかった』か『期待されていないものを追加してしまった』かのどちらかしかありません。

今回の記事ではそれを考察していきます。

 

期待されたのに改善できなかったモノ

アイスボーンの値段ですが、なんとDLCなのに5000円近くしました。

これはゲーム1本分の値段に近く非常に強気と言えます。

この値段を取るからには、DLCだからと言ってボリューム不足なんてことは許されません。

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これに関しては無印MHWの事から指摘されていました。

本作は従来のキークエスト方式から任務クエスト方式に変更された影響で、クリアに必須なクエストが激減しました。

本編クリアまでに必要なクエストはたったの25個です。

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そのため本編クリア後にやるエンドコンテンツが魅力的であることが非常に大事になっていました。

MHWのエンドコンテンツは歴戦古龍の調査クエストで装飾品を集めることなのですが、その仕組みが非常にもったいない作りになっていました。

必要な装飾品が軒並みレアに設定されており、レアな装飾品を出そうと思えば選択肢は危険度★3の歴戦古龍の調査クエだけだったのです。

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その結果、モンスターの大部分が無視され、たった5匹の古龍を延々狩り続けるゲームになっていました。

歴戦王というエンドコンテンツもできましたが、歴戦王 = 古龍なので新鮮味はないです。

そもそも古龍自体がクシャルダオラやナナテスカトリのように評価の分かれるモンスターのたまり場なので、強化古龍の中には戦っていて面白くないヤツがいるのです。

その点イヴェルカーナ君は古龍の希望の星!クシャルは帰れ!

無印MHWでこのような問題があっただけに、アイスボーンでは危険度★1~2のモンスターにも戦う理由付けがされると期待されました。

しかし調査クエストのシステムは手つかずのままであり、結局危険度★1~2のモンスターは1回戦って終わりというもったいない有様でした。

モンハンではジンオウガのようにパワーで押してくるモンスターと真っ向勝負するのが人気ですが、この辺のモンスターって軒並み危険度★2なんですね。

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そして危険度★3の古龍は魔法のような特殊能力を使うので人気が低いものが多いです。

古龍の中でもネルギガンテやイヴェルカーナが人気なのは『モンハンシリーズは小細工なしにぶつかり合う戦闘スタイルが受ける』という伝統からすると自然なことでした。

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アイスボーンで新たに追加されたエンドコンテンツと言えば『導きの地』がありますね。

これについては時間を稼ぎたいという意図がストレートに凝縮されているばかりで、必要素材を集めたらもうやりたくないとまで言われています。

 

追加アクションが期待されたモノと違った

アイスボーンになって『クラッチクロー』という要素がアクションに追加されました。

そこから派生する『ぶっとばし』と『傷つけ』の重要さは知っての通りです。

ですが、このクラッチクロー関係が追加されたことで非常に戦闘の自由度が下がり、窮屈なアクションゲームになりました。

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『じゃあ使わなければいい』と思われそうですが、これを使わないと与えるダメージが激減するので、このシステムありきで難易度調整されている節があります。

これを狩りに組み込むと、90秒周期で強制的に『傷つけをしなさい』とシステムに命令されているような状態になります。

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無印MHWの狩りは最初から最後まで自由な時間でしたが、アイスボーンは定期的に『傷つけ』と『ぶっ飛ばし』が挟まってきて窮屈なんですね。

チャージアックスのように無印MHWの時点で『儀式』がある武器は、さらにフリータイムを削られることになりました。

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ガンランスの起爆竜杭が最も顕著ですが、アイスボーンのスタッフは新要素をとにかく強化して使わざるを得ない状況に持っていくというやり方を取るようです。

クラッチクローを無視できる徹甲榴弾や属性弾を撃てるボウガンに人気が集中しているのも、こういう点にうんざりしたユーザーが増えているからかもしれません。

 

こうなるのも仕方ないかもしれないという擁護

MHWの高評価は新しい試みにチャレンジしたことを評価し、粗削りだった部分は次回作でより良い形になるだろうという期待も含めての事でした。

しかしアイスボーンはその期待を裏切り、調査クエストなど修正を期待された部分は放置し、クラッチなど追加した部分は全て蛇足とみられてしまいました。

結果として前作とは打って変わった低評価がされてしまったんだと思います。

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実はMHWを作ったチームは過去にMH4を作っており、MH4MH4Gで全く同じ現象が起きていました。

MH4MH4Gは実質的にMHWの前作と言っていいほど似ています。

  • 調査クエストの元になったギルドクエス
  • カスタム強化の元になった極限強化
  • 歴戦個体の元になった凶竜ウィルス

MH4も無印では『粗削りだけどより良いモノになっていくだろう』と期待されて高評価されたゲームでした。

しかし続編のMH4Gでは改善してほしい部分を放り投げて、抗竜石と極限状態という面倒くさいだけの要素を追加しました。

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追加要素が面倒くさいだけ・・・というのはこのスタッフのお約束のようなものなのです。

別のチームが作ったMHXでは真っ先に『極限状態は続投しません』と言われたほどです。

MH4Gも悪いゲームじゃないと思うのですが、やっぱり賛否両論であることは否めません。

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何故こうなるのかというと『ゲームの出来は続編の売り上げに影響する』からだと思います。

MHWMHXXが良作だからこそ期待を込めてたくさん売れ、MHWアイスボーンはMHWが良作だからこそ売れたと考えます。

この場合、良作を作り続けるなら問題ないんですが、MH4Gやアイスボーンのような賛否両論だったゲームの次回作は大変です。

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ユーザーは前作の評価を大事にするので、どうしても色眼鏡で見てしまいます。

この辺の事情は評価の低いロックマンX7の次に作られたロックマンX8が名作でも売れなかったあたりで明白ですね。

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しかし、チームとしては自分が作ったゲームの売り上げが評価になります。

そのためMH4Gが売れれば、別のチームが作った次回作MHXの売りが振るわなくてもMH4Gのスタッフは責任を感じません。

当然ですが、MH4Gの悪かったところを反省して次回で改善しようという発想は出てこないわけです。

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モンハンを作るチームが交代制というのもアイスボーンの出来に悪影響を及ぼしてしまったと言えるかもしれません。

こればっかりは構造的な問題なのでチームの責任とは言えません。

以上が私の考えるアイスボーンの評価が悪い理由と、その低評価を生み出す構造です。

 

でも好きな人もいる

賛否両論とは50%の人が低評価する一方で、50%の人は高評価をつけています。

実際は高評価の中でも『ギリギリ高評価』とか『すごく高評価』とか分かれていると思いますが・・・。

私も散々アイスボーンのダメな部分をわかってはいるんですが、高評価よりの人間です。

脳内会議で高評価51人、低評価49人くらいのギリギリラインですけどね

色々言いましたが、やっぱりモンハンだからハードルが上がっている部分はあるはずです。

PvEのゲームで発売して数ヶ月たっても人が多いという環境だけでも、このゲームをプレイし続ける理由になると思います。