あなたをこえたくて

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没個性の時代!達人のオーブとは何だったのか?

こんばんは、イコッサです!

バージョン5.2の情報が公開されDQ10界隈も活気づいてきましたね。

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私が注目するのは達人のオーブの改善です。

なんと各職業で火水風光闇の宝珠を各12個までセットして、記録しておくことができるようになりました。

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これで面倒な宝珠の入れ替えから完全に解放されるようです!

大好きな踊り子の闇のちから枠に『ヴァイパーの技巧』『ナイトメアの極意』などの短剣スキルや、『アゲハ乱舞』『ピンクタイフーン』などの扇スキルを全てセットできるようになりそうです!

12種類もセットできるなら、その職に必要な宝珠を全部セットできる

これで常に最強状態で踊り子を使えそうです!やったー!

・・・

あれ?なにかおかしい。

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12種類もセットできるなら、同じ職業(例えば戦士)には全プレーヤーがほぼ同じ宝珠をセットするんじゃないですか?

これって達人のオーブ実装時のコンセプトである『プレーヤーの個性を出す』事を全否定していますね。

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今回の達人のオーブの仕様は冒険者の成長要素として見た場合、素直に喜ばしいです。

でも、どうして個性を出すハズの達人のオーブが全プレーヤー共通の単なる成長要素になってしまったのか、今回の記事では考えていきます。

 

中途半端だった達人のオーブ

初めて達人のオーブが登場したのはリッキーがディレクターのバージョン3.0の頃です。

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元々あった種族格差(オーガが戦闘向きなステータス)はバージョン2のころにほぼ無くなり、ステータス面で言えばプレーヤーの無個性化が進んでいた時代でした。

この頃の達人のオーブは『石板の穴は4個』『炎水風は3玉のみで光闇だけ2玉がある』など、かなり尖った設定でした。

物理アタッカーと魔法アタッカーの共存は難しく、1つの職に特化すると他の宝珠を付けられないくらいのシビアさだった

これによりプレーヤーの取捨選択が発生し、各プレーヤーに個性が生まれるはずでした。

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あの人のはやぶさ斬りは最強!

あの人のメラゾーマは誰よりも早い!

みたいな、あのフレンドと言えばあの職が強い、あの職と言えばあのフレンドが極めている・・・みたいな世界になるはずでした。

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しかし『個性を出す』というコンセプトは実装当初から既に崩壊していたと言わざるをえません。

経験値50000を溜めることで宝珠の付け替えができたのです。

真偽レンダの周討伐の経験値を宝珠付け替え用に残している事が多かった

これにより、強敵に挑む際は最適な宝珠に付け替えるということが常識化しました。

本当に達人のオーブで個性を出したかったら、簡単に宝珠の入れ替えなんてさせてはいけなかったはハズです。

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それこそ経験値50000なんて生易しいくらいの大量の経験値を要求するべきでした。

例えば『宝珠付け替えには経験値1000万必要だ』と言われたら、宝珠を入れ替えない言い訳も立つので面倒な作業は無かったハズです。

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また、個性を出すなら宝珠の出現率は渋くするべきですが、けっこう簡単に手に入りました。

これは手に入った宝珠を鑑定するのが面倒という新たな問題を生みだしてしまいましたね。

こうなったのはリッキーや運営にやりたいこと(冒険者の個性を作り出す事)を貫き通す意志の強さが無かったからだと言うしかありません。

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モンハンをやっていて痛感したのですが、どっち付かずが一番悪い結果を生みます。

達人のオーブは『単なる成長要素』か『冒険者の個性を確立するもの』なのか・・・この2つは両立できないのに、どっちに振り切る事ができませんでした。

こうして『二兎を追う者は一兎をも得ず』となった達人のオーブは冒険者の個性を確立することもできず、面倒なだけの要素になりました。

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この宝珠付け替えの面倒がバージョン3.0からバージョン5.2まで5年間も続きます。

『どっちつかず』『中途半端』『優柔不断』がどれだけのマイナス効果を生むか、達人のオーブからよくわかりますね。

個性を生み出すなら宝珠の入れ替えは大変にしなくてはいけないし、単純に冒険者のパワーアップ要素なら今回のVer5.2の形で最初から出せばよかったと思います。

 

ちょっと運営擁護

達人のオーブを冒険者の個性を生み出すシステムとして徹底的に突き詰めることができなかった事情もあります。

バージョン3.1でレグナードが登場し、この強敵に挑む場合はパラディンや魔法使いの宝珠をセットすることが必要になりました。

戦士がメインの冒険者でも、コンテンツ参加のためにメラゾーマの極意を付けないわけにはいかなかったのです。

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また、バージョン3.2では邪神の宮殿が登場し、様々な職をやる必要が出てきます。

今でこそ簡単なコンテンツですが、この当時はそれなりに難しい邪神の宮殿と達人のオーブのシステムは非常に相性が悪いものでした。

常闇の聖戦や邪神の宮殿を実装予定の運営としては『達人のオーブで個性を追求』という選択をしにくかったのかもしれません。

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もっとも、これは運営のアナウンスの下手さにも原因あります。

例えばレグナードの強さ4は全員宝珠もキッチリしなくてはいけないとしても、強さ3~1は宝珠が無くても良いくらいの設定にすればいいですし、実際そうなっていました。

邪神の宮殿は(型落ち装備でも)耐性装備があれば宝珠無しでも勝てる難易度でした。DQ10は耐性さえあればだいたい勝てるのです。

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しかし、達人のオーブが実装されたことで『最適な宝珠をセットしないと周りに失礼だ』という考えが広まり、DQ10は宝珠付け替え必須の面倒な世界になりました。

宝珠の入れ替えが簡単であれば、遅かれ早かれこうなるのは確定していたことです。

 

まとめ

バージョン5.2の達人のオーブは全冒険者が同じような構成でセットするため、ただの成長要素となり、冒険者の個性を出すものでは無くなりました。

バージョン3.0で初登場した時の達人のオーブはどう見ても冒険者の個性を作るために生まれたものです。

しかし運営は『冒険者の個性を作るのか』『ただの成長要素にするのか』で方向性を決められず、曖昧などっちつかずの面倒なだけのシステムになりました。

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この方向性の分からなかった達人のオーブを、ただの成長要素としてバージョン5.2で再定義するのに5年間もかかったのです。

もう1度言う、5年もかかってるんだ

中途半端でどっちの顔色も窺うような選択をすると碌な結果にならないばかりか、方向性の修正にものすごい労力が必要だというのがわかりますね。

達人のオーブを追加したリッキーはDQ10TVでも努力家で優しい人柄が出ていました。

でも時には初代Dの藤澤さんのように頑固になるべきだったのかもしれません。

リッキーは優しすぎた

とは言え信念を貫くってカッコイイですけど、なかなかできる事じゃないですよね・・・。

私はいつも楽な方に逃げてます。

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バージョン5.2で冒険者の完全に個性とは無関係になった達人のオーブですが、使いやすさは間違いなく向上↑↑↑しています。

けっこう批判っぽい事を書いた気もしますが、バトルの準備に時間がかかるというDQ10の面倒な要素が1つ減ったのは嬉しい事ですね!!