こんばんは、イコッサです。
今回の記事は内容が過激なのでを書くか迷っていましたが、魔剣士が登場する今のタイミングで書かないと一生書けなそうなので書くことにしました。
タイトルだけだとデスピサロ批判に感じる人も多そうなのですが、そういう意図はないことを判っていただくために珍しく『もくじ』を使う事にします。
メアリースーとは
厳密な定義なんてないのですが、主に二次創作系のサブカルチャーに登場する痛いオリジナルキャラに使われる言葉です。
その痛さは様々ですが『不自然に持ち上げられたりするタイプ』や『逆に不自然に虐められるタイプ』がいます。
私が考えるメアリースーと呼ばれるキャラクターのポイントは、メアリー本人は設定通りの言動をしているが、周りのキャラクターがメアリーと接する時に変な行動をとってしまうという点です。
例えば天才キャラとして設定されたキャラクターがいるとしまう。
もしこれが普通の天才キャラなら設定通りに頭の良い描写がされるでしょうが、何故か『メアリーの場合は周りのキャラクターの知能が低下することで天才性をアピールする』という手法になります。
つまりメアリーを基準にして、メアリーに接するキャラがおかしくなり、当然それらのキャラが形作っている物語全体もおかしくなり・・・最終的に作品全体の出来が悪くなるという事ですね。
基本的に原作のキャラクターには適応されない言葉ですが、上で書いたようなあまりにもメアリー的な描写が目立つと『原作キャラでも○○はメアリースー』と呼ばれてしまう事があります。
デスピサロはメアリースーか?
DQシリーズは良くも悪くも王道のシナリオなので、メアリー的なキャラクターは珍しいです。
魔族のリーダーで美形といういかにもなキャラクターですが、キャラクター設定の段階ではメアリーにはなりません。
仲間になった彼がものすごく強くて元々いた仲間を用済みにしてしまうというのも問題ではありません。
何故なら魔族のリーダーならそのくらい強くても設定通りだからです。同じ理屈でDQ6のドランゴもセーフです。
ではデスピサロの何がメアリースー的かと言うと、周りのキャラクターの行動をおかしくするという点なんですね。
代表的なのがDQ4の主人公です。
デスピサロに最も因縁がある彼の人生を書き出してみましょう。
- デスピサロの手先に育った村を滅ぼされる
- 幼馴染が自分の身代わりで殺される
- エビルプリーストを倒すためにデスピサロの恋人を生き返らせる
- デスピサロを仲間に引き入れる
- 村を滅ぼした事にたいするピサロの謝罪は皆無
- エビルプリーストを倒した後もデスピサロを咎めない
こんな聖人この世にいるのか?と言う感じです。
以前の考察ではDQ4の主人公は自分の感情を捨てて人間側から魔族へ許しを与えることで平和をもたらそうとした・・・と考えましたが、そんな人間がいたら精神が壊れている気がします。
DQ5で例えるとゲマが仲間になるみたいな感じでしょうか?
ちなみに下4つはリメイク版で追加された6章の描写で、このせいでリメイク版のストーリーには賛否両論あります。
あまりにもデスピサロを仲間にするために主人公に無理な描写をさせているし、そんなストーリーに納得がいかないという人がでるのも無理はありません。
もしロザリーを人間に殺されたピサロが怒って主人公の村を滅ぼすなら100歩譲って同情もわきますが、普通にロザリーが生きている頃の出来事ですからね。
難しいのはドラクエの主人公が無口であり、DQ4の主人公のデスピサロに対する思いがまったくセリフで出てこない点です。
ただ、これを読んでいる人にも考えてほしいのですが、感情のある人間だったら上で書いたような仕打ちをしたデスピサロに対して復讐をしない事自体が不自然ではないでしょうか?
同じようなケースで大人気RPGのクロノトリガーのカエルと魔王の関係があります。
魔王は仲間にできるキャラクターなのですが、既に仲間になっているカエルの親友を殺して国を侵略した敵でもあります。
このゲームでは魔王を仲間にするか、それともカエルvs魔王の一騎打ちか選べますが、リメイクDQ4でもこうすればよかったと思いますね。
選択するといえば、生き返らせるのはロザリーかシンシアか?ピサロと協力してエビルプリーストを倒すか、それともピサロもエビプリも両方倒すか?・・・みたいに選べるようにしておけば誰もが不満を感じなかったのではないでしょうか。
ドラクエシリーズは一本道のストーリーだけに、自分の分身である主人公の行動に違和感を抱かせるというのはマズイいです。
注目すべきなのはデスピサロの行動が自然でも、彼に接する主人公側の行動が不自然になるという点なんですね。
ピサロ自体の行動は人間と敵対する魔族の王として非常に自然なものだと思います。強くてもOK、村を滅ぼした主人公への謝罪なんてしなくてもキャラ設定的に正しい行動です。
メアリースーはメアリースー自身の行動ではなく、メアリースーに接する他者の行動を不自然なものにするという特徴があり、DQ4の主人公の行動を不自然なものにしているの原因がデスピサロ(を無理やり仲間にするため)なら、デスピサロはメアリースーだと私か考えます。
メアリースーが生まれる動機と手段
デスピサロがメアリーであるという前提で話を勧めますが、メアリーには生まれる動機と、メアリーになるための手段と言うものがあります。
二次創作でのメアリー誕生の動機は『自分のキャラ = 自分が褒められたい、注目されたい』と非常に分かりやすく、手段の方も『周りのキャラから持ち上げられる、または虐められる』となっています。
ですが、原作キャラのデスピサロがメアリーになった動機はこれに当てはまりません。
リメイク版DQ4の『デスピサロがメアリーになった動機はズバリ金』です。これは人気と言い換えても良いと思います。
デスピサロの設定、容姿、生い立ちを考慮して、人気の出そうな彼は金になるとスクエニが判断したんですね。それはこの画像からも明らかです。
※時系列が逆転したキャラ説明
そうなるとラスボスで終わらせるよりも仲間にした方が良いに決まっています。
この頃のスクエニはドラクエとFFをリメイクしまくっていますし、いたストのような他作品のお祭りゲームも出しています。
敵で最終ボスの怪物デスピサロよりも、仲間でライバルでダークヒーロー的なポジションの魔剣士ピサロの方が多方面の作品に出しやすいですし、きっとより多く儲けることができるんですね。
動機が金であれば、手段はDQ4の主人公達にデスピサロを受け入れさせるということになります。
ただ、上での書いたように主人公側がピサロを受け入れるという流れ自体が不自然にならざるを得ないため、リメイクDQ4はピサロにとって優しく彼にだけ異常なほど寛容な世界となってしまうんですね。
DQ10への影響は?
デスピサロがメアリーであることについての良し悪しは書きません。
デスピサロで儲かった分でDQ4以外のゲームの質を上げているかもしれないし、DQ10だって遠回しにその恩恵を受けているかもしれませんからね。
ですが、魔剣士という明らかにデスピサロを意識した職業が追加されるとなると話は別です。
リメイクDQ4が炎上しても対岸の火事ですが、DQ10の職業バランスか壊れるのは困ってしまいます。
デスピサロ本人が登場するわけじゃないので、ピサロ人気に忖度して魔剣士が贔屓されるということは無いと思うのですが『リメイクDQ4のストーリーをたった1人で賛否両論にしてしまったピサロと言うキャラクターの影響力』を考えると、不安は拭えません。
楽しみ半分、不安半分といったところです。
あ、やっぱりこの安西先生のコメント見て不安の方が大きくなりました。