こんばんは、イコッサです。
もうアイスボーン関連の記事は書かないと思っていたのですが、アイスボーンを題材にした映画を見てしまったからには仕方ありません。
ちょっと呑み込めないほどヒドイ内容だったので、自分の感情を整理するためにネタバレ込みで感想を書いていきます。
また、記事のタイトル通り私はこの映画がクソ映画だと思っていますので『この映画が大好き、もしくは悪くないと思っている人は読まない方が良い』です。
どうしてこの映画がクソになってしまったかも考えるつもりです。
ただクソクソ言ってるだけじゃ気持ちの整理ができないですからね。ちゃんと納得してクソを乗り越えないといけません。
全ての元凶はミラジョヴォヴィッチ
もちろん女優としてのミラジョヴォヴィッチには何の落ち度もありません。
ですが、モンスターハンターと言う世界の主人公に現実世界の軍人と言う設定のミラ演じるアルテミスを起用したのが全ての元凶だと思います。
そもそも現実世界とリンクさせる意味があったのかは謎ですが、アメリカでは軍をだしておかないと駄目なんじゃないですか?
その辺は国の事情なのかもしれません。
というかバイオシリーズの監督だから軍人っぽい人が怪物と戦うような映画しか撮れないのかもしれません。
ミラジョヴォヴィッチとセット販売になったのも、そういう事情がのではないかと邪推しています。
アルテミスはただの軍人なので本来ならモンハン側の世界のハンター達よりも身体能力が格段に落ちます。
このままでは影が薄い存在になってしまいそうですね。
ところが彼女を主人公として目立たせるためなのか、モンハン世界側の登場人物が滅茶苦茶弱くなっています。
それどころかゲーム版の主人公が登場しません。
これについては『国1つ滅ぼすほどの大型モンスターをたった1人で倒すようなハンターを出すと、ただの軍人であるアルテミスが全く目立たなくなってしまう』という事情がありそうです。
ここは仕方ないと思って忘れましょう。
しかし、超人であるゲーム版の主人公が出ませんので、アイアンマンやスパイダーマンのようなタフなヒーローが軽口混じりにモンスターに立ち向かうという痛快なアクション映画の路線はなくなりました。
私としてはアメコミヒーローのように滅茶苦茶な動きをするハンターを見たかったですね。実際ゲーム内で滅茶苦茶な動きをしてますからね。
そして代わりに登場したのが彼です。
誰?
私は字幕版で見たので吹き替えしている人は知らないのですが、この人が今回の映画のハンターらしいです。
ゲームをプレイした人ならわかりますが、この人のモデルは調査班リーダーですね。
ゲーム版の彼は序盤のドスジャグラスくらいしか戦わないので、どのくらい優秀なハンターかわかりません。
もしかしたら映画版のようにディアブロス亜種を1人で狩れない程度かもしれませんね。
ですが、役どころ的には頼れる先輩ハンターのような立ち位置であり、『性格・狩りの腕・判断力・人望それぞれ高いレベルでまとまっている人物という風に描かれていた』気がします。
・・・だったのですが、何故か映画版の彼はただの野人になってしまいました。
それも現実世界の軍人アルテミスと同じくらいの身体能力しかないという有様です。
さらにキャラ改変は悪い方に進み、正当な理由があるとは言えアルテミスと一時敵対した時の性格の悪さが目立ちました。
けっこう陰湿なタイプの性格の悪さです。
調査班のリーダーって気前のいい感じの好青年だったような・・・。どうしてああなった?
何故ゲームの方で頼れる先輩だった調査班リーダーがこのようなキャラ改変を受けたかと言うと、これもアルテミスを目立たせるという意図が感じられます。
もしゲーム版の彼がそのまま出ていれば、アルテミスを導く先輩という立場になり、ハンターが師でアルテミスが弟子の立ち位置になります。
アルテミスはモンハン世界を生きるために彼に頼らなければいけない立ち位置になるのが自然です。
ところが『映画のアルテミスとハンターの人間関係を見た時、どうみてもアルテミスが格上ような演出になっている』んですね。
これは本来起き得ない現象です。
この不自然な関係を無理やり押し通すなら、アルテミスより弱い立場になるようにハンター側のキャラを改変するしかないんですね。
その結果、ハンターは野人になり、なぜかチョコレートで滅茶苦茶喜ぶという変な人物になりました。
あと何かよくわからない宗教的な儀式もしていますし・・・そんな様子ゲームで1ミリも出てないんですよね。
ゲーム版だと甘いものも含めて食事の種類は非常に豊富で、『むしろ現実の世界の私達の方がモンハン世界の食事って美味しそうだな~』と思えるほどの豊かな食生活を送っています。
映画版で追加されたような要素って何の意味があったんだろう?と思わなくも無いですが、これもアルテミスを優位にするために追加されたと考えると納得がいきます。
これは私の感覚かもしれませんが『チョコレートで喜ぶのは先進国の人間が持っている未開人・原住民のテンプレイメージ』なのではないでしょうか?
例えばあしたのジョーのハリマオなどそうですね。
つまりモンハン世界のハンターは野人&未開人でチョコレートで喜び、よくわからない怪しげで非科学的な宗教を崇拝しており、現実世界の先進国出身のアルテミスがハンターよりも格上である。
『映画の主導権をアルテミスに握らせたいため』そういうイメージを刷り込みも行うし、この映画はこういう演出になっているし、ハンターはこういうキャラクターとして描かれてしまったという事です。
この映画は何がしたかったのか
ヒーローであるゲーム版のハンターを出さず、優秀な調査班リーダーを下げることで相対的にただの軍人である主人公が目立ちました。
これは『調査班リーダー1人の事で文句を言っているのではなく、一事が万事アルテミス優先で映画全体に同じような事が起きています』
でも、そこまでしてアルテミスを主役として目立たせて、何かいいことがあったのかというと、何もいい事が無かったわけですよね。
この映画を見に来ている人って野性的で活力に溢れたモンハン世界を映画で見たかったのであって、アルテミス役の『ミラジョヴォヴィッチを見たかったワケじゃない』と思うんです。
でも実際は真逆になっていて、ミラジョヴォヴィッチを見せるためにモンハン世界の方を蔑ろにするという構図です。
映画の作り方としてモンハン世界をどう魅力的に見せるよりも、どうやってミラジョヴォヴィッチをモンハン世界で魅力的に見せるかという点が優先されている気がします。
これが現実世界を舞台にした映画ならいいでしょう。私たちが暮らしている現実世界をわざわざ魅力的に描く必要はないため、登場人物重視で問題ないハズです。
しかし、これはモンハン映画なんだから何よりもモンハンの世界を魅力的に描くことを優先してほしかったですね。
そもそもゲームとしてのモンハンは登場人物の大半が名無しで、主人公さえ名無しの狩り人と人間の描写は徹底的に抑えめに描かれるような世界です。
その反面、世界観とモンスターには特にこだわっている作品です。
そういうゲームを原作としているのに、人間・・・しかもハンターですらない現実世界からきた軍人アルテミスに無理やりスポットライトを当てるというやりかたがズレていると言わざるを得ないです。
ーーーとなると、現実世界の軍人がモンハン世界に迷い込むというストーリーの根幹から破綻していることになりますね。
だってその展開にしたら映画の本筋はどうやって元の世界に戻るか、なぜ2つの世界が繋がったのかになってしまうからです。
でも、こっちとしては元の世界なんてどうでもいいのです。
観たいのはモンハン世界の映画化であって、現実から来た人間がどうやって元の世界に戻るかなんて全然興味が無いんですね。
何度も書きますがミラジョヴォヴィッチには何の非もないですが、ニーズと合わないシナリオにして、それでもなお客を納得させるほどの影響力が1人の女優にあるのでしょうか?
映画業界の人って彼女を目的に映画を見に来るような観客が大勢いると思っているのでしょうか?
いや、もしかして本当にそうなのでしょうか?私の方がおかしくて『たった1人の女優を目的に映画を見る方が常識』なのでしょうか・・・?
この映画は私にそんな疑問を抱かせて終わりました。
この映画で良かった事
受付嬢がゲームよりかわいい。
あとはCMでアルテミスがモンハン定番の肉焼きを見て、上手に焼けたと言っているシーンがあるのですが、これってもしかして映画の炎上を見越しているのでしょうか?
もし肉が焼ける様子を映画の炎上と掛けたギャグならすごいセンスだと思いました。
良い所終わり!以上!!